生理検査

検査部では医師からの依頼を受けて様々な検査を臨床検査技師が実施しています。数多くの検査の中から症状にあったものが選ばれ診療や治療に役立っています。
また、検査は病気の経過観察や治療効果の判定にも用いられています。大きく分けると、直接ご自身の身体を使って調べる生理検査と採取した血液や尿などから色々な成分を調べる検体検査とがありますが、当院検査部では生理検査を中心に検査を行っています。

日々心のこもった対応が出来るように心掛け、正確で迅速により良い検査をご提供出来るように努めています。

また各人が臨床検査技師に加え、以下の認定資格を保持したり種々の認定取得に向けて努力していたりと最新の技術習得と自己研鑽にも努めています。

  • 超音波検査士(消化器領域)
  • 超音波検査士(循環器領域)
  • 産業カウンセラー

睡眠時無呼吸検査(PSG)

昼間の強い眠気、寝ている時のひどいいびきと呼吸停止があれば睡眠時無呼吸症候群を強く疑いPSG(睡眠ポリグラフ)を実施し一晩の無呼吸の程度を記録します。
一晩の睡眠中に10秒以上の無呼吸及び低呼吸が30回以上おこる。または1時間あたりの無呼吸や低呼吸が5回以上おこるものを睡眠時無呼吸症候群といいます。

【検査】

PSG簡易法(機械装着法の説明時間 約15分)

自宅に簡単な機械を持ち帰り、就寝中の呼吸停止時間・いびきの有無・動脈血液中の酸素飽和度・脈拍数を調べます。使用説明を受け自分で就寝直前に鼻と指先にセンサーを装着し起床までを記録します。

PSG精密法(機械装着時間 約30~60分)

簡易法の項目(就寝中の呼吸停止時間・いびきの有無・動脈血液中の酸素飽和度・脈拍数)に加え脳波(睡眠の質・呼吸停止の原因が閉塞性なのか中枢性なのか)・眼球の動き・胸や腹の膨らみ(息が止まっていないか)・心電図などを調べます。1泊入院で検査しますので部屋の準備などが必要です。事前に予約が必要となります。

当院では、精密法はワイヤレス伝送システムを用いた最新の機械で検査を行っていますので、装着後にもトイレに行ったり眠くなるまでテレビや本を見たりする事が出来ます。

エコー検査(腹部・心臓・頸動脈・甲状腺)

人の耳には聞こえない高い周波数の音(超音波)を使って体内の臓器を見る検査です。

長所

臓器を色々な方向から見ることが出来、2mm位の小さな病変も検出可能です。安全性が高く妊娠中の方でも検査する事が出来ます。

短所

体格や胃や腸のガスなどの影響で見えにくくなる事があります。腫瘍などが見つかった場合はCT・MRIなどの精密検査が必要になります。

【検査】

腹部エコー(検査時間 15~30分)

おなかの中にある臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓など)をおもに検査します。膀胱に尿が溜まっている時は子宮、前立腺なども見えやすくなり検査する事が出来ます。

心エコー(検査時間 15~30分)

心臓の大きさや動き・心臓の機能・弁膜(心臓は4つの部屋が4つの弁膜で仕切られている)の開閉異常等の弁膜症・先天性の心疾患・心筋梗塞や心筋症などが無いかなどを調べます。

頸動脈エコー(検査時間 15~30分)

首にある血管(頸動脈・椎骨動脈)に動脈硬化が無いか、血管内が狭くなったり詰まったりしていないかなどを調べます。

甲状腺エコー(検査時間 15~30分)

首の中央にある甲状腺に異常が無いか(甲状腺の機能亢進や機能低下による大きさの変化や腫瘍などの有無)を調べます。

その他のエコー(検査時間 15~30分)

依頼に応じて可能な限り検査します。

心電図(安静時)・ホルター心電図・血圧ホルターなど

心電図は胸と手足に電極を付け心臓から出ている弱い電気の変化を捕らえて図形にしたものです。

【検査】

安静時心電図(検査時間 約5分)

通常は安静時の記録で不整脈や虚血性変化(狭心症・心筋梗塞など)を診断します。

ホルター心電図・ホルター血圧・心電図検査(機械装着時間 約20分)

丸一日間、日常の生活中での心電図や血圧を記録する検査です。胸痛や動悸などの症状があっても病院での安静時心電図では異常が無い時に有効です。 心電図のみの記録器は防水になっており、つけたままでの入浴も可能です。

血圧・脈派検査(CAVI/ABI)

【検査】

CAVI / ABI(検査時間 約15分)

仰向けに寝て両腕、両足首の血圧を測る事などで、足の血管の詰まりや硬さを調べ血管年齢を推測します。

CAVI(心臓から足首までの動脈の硬さ)

生活習慣病等からおこる軽症の動脈硬化症から虚血性心疾患や脳血管障害などの重症動脈硬化症まで幅広く動脈硬化の程度を定量的に見ることが出来る指標です。 CAVIは年齢と良く相関することから、老化を反映する指標としても有用です。

ABI(下肢動脈の狭窄・閉塞)

末梢動脈疾患の鑑別診断・重症度判定。ABIは下肢動脈の狭窄・閉塞を評価する指標です。末梢動脈疾患は心血管疾患・脳血管疾患など、他臓器障害との合併が多く見られる事から早期発見が重要とされています。

肺機能検査

肺の呼吸とガス交換がスムーズに行われているかなどを調べる検査です。

【検査】

努力性肺活量(検査時間 約5~10分)

息をいっぱい吸い込んだ後に精一杯勢い良く全部吐き出しその勢いを測ります。

検体検査

血液検査、尿検査、輸血検査など必要に応じて種々の検査を行っています。